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さくらい消化器科内科 東京都品川区東五反田5-27-3 第2野村ビル3F Tel.03-5421-7149 Fax.03-5421-7152
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開業5年の経過報告
平成18年7月から23年12月末まで5年5ヶ月となりました。この間の上部消化管内視鏡検査は3,971件 大腸内視鏡検査は2,360件となりました。発見された病変は食道癌8例 胃癌23例 胃潰瘍364例 十二指腸潰瘍326例 大腸ポリープ2,701個、腺腫内癌70例 大腸早期癌(sm)5例 進行癌47例でした。胃癌よりも大腸癌が多く発見され、しかも早期癌が多いことが特徴です。
その多くは便潜血反応陽性から検査して発見されています。たかが検便で何がわかるといわずに、一回でも陽性でしたら積極的に内視鏡検査を受けましょう。
当院では食道、胃、十二指腸検査には経鼻内視鏡から経口の最高機能の内視鏡まで取り揃えています。大腸内視鏡はもっともラクに検査がうけられるよう細径の内視鏡を使用し麻酔なしに患者さんと共にテレビモニターを見ながら診断や治療をしています。これまで検査や治療による合併症は上部ではゼロ、大腸ではポリープ切除後の出血が5例でしたが、再度の止血操作でコントロールできています。当院で切除できない大きな病変はNTT関東病院、昭和大学病院、をはじめ各病院に紹介しています。がんは今でも早期発見早期治療が一番です。
一人で心配せず早めに医療機関に相談しましょう。
あたらしい胃がん検診法:ABC検診
背景:胃がん検診は1950年代から実施されていますが、年間の胃がん死亡者数は5万人と減少傾向がみられません。検診の実があがらない理由はいろいろ考えられますが、これまでと同じ方法では死亡者の減少は期待できません。また検査に対するストレスが大きいことも原因のひとつにあります。バリウムを飲むのも、胃カメラを飲むのも気軽ではありません。さらに最近若年者の胃がん頻度が減少し、20代、30代ではもはや、検診をするメリットよりデメリットが多い状況になりつつあります。効率よく胃がんになりやすい方を選び出す、新しい検診方法が求められてきました。
 
ペプシノーゲン検診とは:そこで登場したのが、ペプシノーゲン法という検診方法です。
胃がんの方は慢性胃炎を伴っていることが多く、慢性胃炎をみつけだせば、胃がん検診の第一段階になりうるわけです。ペプシノーゲンは血液で測定でき、ペプシノーゲンのTとペプシノーゲンUの比をとることで慢性胃炎の指標になることが三木らの研究で明らかになりました。これを応用したのが、ペプシノーゲン法です。慢性胃炎ではペプシノーゲンTが減少し、ペプシノーゲンUはそれほど減らないため、T/Uを求めると比率が低下します。この比を3.0として3.0以下をペプシノーゲン陽性と判定し、胃がん検診の対象者を絞り込むのです。血液で判定でき、キットで大量に判定することで、安価にできます。健康診断の際、採血に追加することで容易で、すぐにもできる方法です。
 
ペプシノーゲン法の問題点:さっそく多施設で実施されましたが、意外に絞込みができませんでした。それは慢性胃炎になるまえに発生する胃がんが拾えませんでした。慢性胃炎になるまえの胃がんは比較的若年者に多くこれは問題です。また慢性胃炎は多数にありますので、これのみではコストの上昇に見合う胃がんの的中率上昇に繋がりませんでした。
 
ピロリ菌と胃がん:胃がん検診対象者にピロリ菌検査を行い、ピロリ菌が陽性な対象とピロリ菌がいない群に分け、毎年内視鏡でフォローするとピロリ菌群のみから胃がんが発生し、ピロリ菌陰性群では胃がん発生しなかったという報告がわが国から世界一の医学会雑誌に発表され、大変な話題になりました。細菌ががんを引き起こすというこれまで常識になかった考えが事実であったことを証明した最初の信頼できる研究でした。ということはピロリ菌が感染していない胃には胃がんができないということになります。そこで、ピロリ菌の感染の有無を調べる便利な方法が開発され、採血でも採尿でも採便でもできるようになりました。
 
だから、ABC検診:検診では採血できる方法が容易です。ピロリ菌の有無とペプシノーゲン法を組み合わせることで、胃がんのハイリスクグループがふるい分けられるようになりました。ピロリ菌抗体が陽性で、ペプシノーゲン法陽性(C群)は慢性胃炎で胃がんのリスクがたかまります。ピロリ菌抗体が陰性で、ペプシノーゲン法が陰性(A群)では胃がんのリスクはきわめて低いことが判明しました。ピロリ菌抗体が陽性でペプシノーゲン法が陰性のB群は慢性胃炎になっていないのですが、ペプシノーゲン法で拾えなかった若年者に多い胃がんを発見できます。またピロリ菌抗体陰性でペプシノーゲン法陽性の群があり、これは高度の慢性胃炎でピロリ菌が住めなくなり、菌が撤退した群ですが、もっとも胃がんが高いことがわかりました。実際にしらべますとA群約2,000名からは胃がん発生はゼロ、B群2,000名からは0.1%(1,000名に一人)C群2,000名からは0.3%(1,000人に3名)D群700名からは1.8%(100人に一人)の胃がんが発見されました。
 
ABC検診の実際:このような結果からA群では胃がんになる率はほとんど無視できる頻度であろうから胃がん検診の対象からはずす。すなわち胃透視や胃カメラの検診はしないでよいことになります。最近18歳の高校生ではピロリ菌陽性者が5%程度といわれています。40歳代でも30%前後です。40歳代では7割の方は胃がん検診からはずれることになり大いにメリットがあります。逆にB群、C群、D群は積極的に検診をせねばなりません。
 
ABC検診の今後:胃がんが発見され内視鏡で切除された対象に、ピロリ菌を除菌した除菌群と除菌しなかった非除菌群でその後の胃がん発生をみたところ、除菌群からは胃がん発生が極めて低いという研究がこれまたわが国からトップジャーナルに発表されました。ピロリ菌を退治することで胃がんが予防できる可能性が大きいことが証明されたのです。
ABC検診をしてB、C、D群はピロリ菌を除菌し、除菌成功者は群別に胃がん検診の頻度をかえて内視鏡検診をするという方法が考えられています。いまやピロリ菌は高齢者に限られつつあり、胃がんも高齢者の疾患になりつつあります。ABC検診をうけ、陰性なら胃がん検診はやめましょう、陽性なら早く除菌して胃がんを予防しましょう。もうすぐ胃がんは心配しなくてよい時代になります。
 
DIGESTIVE DISEASE
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